就職後にキャリアの選択肢を広げるため、海外留学に挑戦する学生は増えています。
留学を経験すると語学力だけでなく、異文化への理解や主体性などのスキルを身につけられるからです。
しかし「留学は就活で有利になるって本当?」「いつから就活を始めるべき?」といった疑問や不安を抱える方もいますよね。
そこで本記事では、留学経験を最大限活かして就活を進める方法を解説します。留学のメリットやデメリットとあわせて、ES(エントリーシート)の書き方や面接対策を紹介しました。
海外での経験を活かして就活を有利に進めたい方は、記事の内容を参考にしてください。
留学と就活に関する基礎知識
海外留学の経験が、就活にどのような影響を与えるかを紹介します。
就活をはじめる際は、以下3つのポイントを押さえておきましょう。
留学経験が就活に与える影響
留学経験は、学生の就活に対して多くの場合ポジティブな影響を与えます。
文部科学省の資料によると、企業の採用担当者の62%が留学経験者を採用したいと回答していました。
留学経験が企業から評価される理由として、語学力の向上や異なる価値観を持つ人とのコミュニケーション能力の修得が挙げられます。
これらの能力は業種や職種を問わず多くの企業で求められており、就活において評価されやすいでしょう。
もちろん応募する企業や留学期間によって就活に与える影響は異なりますが、1年以上海外で学んだ学生は採用されやすい傾向にあります。
参考:派遣留学生の就職活動調査
留学経験が高く評価される業界・職種
留学経験が高く評価される業界や職種は以下のとおりです。
- 旅行・観光業
- 金融業
- 建設業(ゼネコンなど)
- 日系グローバル企業(商社・メーカーなど)
- 外資系企業
- 国際営業職
- 企画・マーケティング職
- コンサルタント
- ITエンジニア
- 通訳・翻訳
- 留学サポート
- メーカーの品質管理職
とくに営業職やマーケティング職、コンサルタントは留学経験者からの人気が高く、企業が求めるスキルと留学で身につけたスキルが一致しやすい傾向があります。
上記の業界や職種を目指す方は、留学経験で得たスキルや経験をアピールすると、就活を有利に進められるでしょう。
留学経験が就職後のキャリアに与える効果
留学経験者は、国内だけでなく海外企業や多国籍企業への就職機会が広がります。
そのため、国際的に活躍できるキャリアを築ける可能性が高くなるでしょう。
例えば留学中に身につけた語学力や異文化への理解により、海外拠点のプロジェクトへの参加や海外在住のチャンスを得やすいです。
多様な文化圏のチームメンバーともコミュニケーションを取れるため、外資系企業での昇進にも有利に働きます。
留学経験は、グローバルなキャリア形成において強力な武器となるでしょう。
就活で有利になる留学のメリット
留学経験は、就活において大きなアドバンテージとなります。
ここでは、就活で有利になる留学のメリットを紹介します。
語学力が向上する
留学は語学力、とくに英語力を伸ばしたい方にはぴったりの環境です。
留学中は現地の友人との会話や買い物を通じてネイティブな表現に触れられ、自然な発音やコミュニケーション能力が身につきます。
語学力が向上するとグローバル企業への応募機会が増えるだけでなく、入社後の海外駐在や国際的なプロジェクトへの参加など、キャリアの選択肢も広がります。
実際のビジネスシーンで通用する生きた語学力を身につけられる点が、留学の大きな強みです。
主体性を証明できる
留学中は自分の意志や判断で行動する機会も多く、自然に主体性が身につきます。
自主的な決断ができる人材は、企業から「自発的に動ける」「チャレンジ精神がある」と評価され、就活でも有利になりやすいです。
例えば留学先でトラブルに直面した場合、自力で解決策を見つけて課題を解決した経験は、主体性と課題解決能力をアピールできるエピソードとなります。
学業面でも自分から積極的に学ぶテーマを見つけ、現地の教授や学生と議論を重ねた経験は、受け身ではない姿勢を示す材料となるでしょう。
主体性はグローバル企業やベンチャー企業で高く評価されるため、チームワークや課題解決能力と結びつけてアピールすると効果的です。
多様な価値観や異文化への理解を示せる
海外進出を進める企業では、留学先で学んだ多様な価値観や異文化への理解が求められています。
留学の大きなメリットは、単に知識として多様な価値観や異文化を学ぶだけでなく、実際に海外で生活した経験を積めることです。
例えば異なる文化圏のクラスメートとグループワークに取り組んだ経験や、現地の習慣に戸惑いながらも生活したエピソードは、面接時にあなたの柔軟性や適応力を示す具体例として活用できます。
日本企業でもさまざまなバックグラウンドを持つ社員が増えており、留学中に得た経験は高く評価されるでしょう。
グローバル人材として差別化できる
グローバル人材の獲得を重視する企業は増えており「どこでも誰とでも働ける力」を持つ留学経験者は、他の就活生と差別化しやすいです。
とくにオーストラリアやカナダ、アメリカなど人気のある国ではなく、独自の文化や言語環境を持つ国で学んだ経験は、さらに際立った強みとなります。
例えば新興国での留学経験を持つ方は「バスが予定時刻に来ない」といったインフラの不便さを乗り越えた経験があるでしょう。
不便な状況で培われる柔軟な対応力や予期せぬ事態を前向きに捉えられるポジティブさは、グローバルなビジネスの現場で高く評価されます。
安定した環境では得られない貴重な経験は、就活での差別化ポイントとしてアピールできるはずです。
留学経験者の就活におけるデメリット・注意点
ここでは、就活における留学のデメリットや注意点を紹介します。
以下4つのポイントを押さえておきましょう。
就活準備のタイミングが遅れてしまう
留学から帰国する時期によっては、就活準備のタイミングが遅れることがデメリットとなります。
多くの企業では大学3年の夏からインターンシップや就活イベントを本格化させ、3年の冬から4年の春にかけて企業説明会やエントリーを開始する流れが一般的です。
しかし留学中は学業や現地での生活に集中しているため、日本の就活スケジュールに追いつきにくく、自己分析や企業研究が不十分になることもあるでしょう。
対策としては、出発前から就活スケジュールを把握して、オンライン説明会やWebエントリーを活用することです。
留学中も帰国後の就活に備えて、現地で学んだことをどのように自己PRにつなげるかを整理しておきましょう。
一般的な就活スケジュールや効果的な進め方は以下の記事で紹介していますので、あわせて読み進めてください。
関連記事:これで安心!26卒の就活の効果的なやり方・進め方は?やるべき準備と対策も解説
日本の就活情報を集めにくい
日本の就活情報を集めにくいことも、留学のデメリットと言えます。
もちろんインターネットを活用して情報を集められますが、海外では大学のキャリアセンターが主催する学内セミナーやOB・OG訪問といった対面での交流機会を逃しがちです。
友人からの口コミや最新の就活トレンドなど、リアルタイムの情報にアクセスしにくい課題もあります。
情報収集の課題に対する対策としては、就活サービスが提供するLINEやメール配信を活用し、最新情報を受け取ることをおすすめします。
また、SNSやオンライン完結型の就活アプリを活用して、日本の情報を効率的に集めましょう。
オンラインで就活を進められるアプリ、lognavi(ログナビ)の特徴や使用方法は以下の記事で紹介していますので、参考にしてください。
関連記事:lognavi(ログナビ)って?特徴や使用方法・評判などを解説!
留学と就活スケジュールがかぶり採用選考に参加できないことがある
留学経験は就活時に強みとなりますが、スケジュールの重なりには注意が必要です。
日本企業の多くは同じ時期に説明会や選考を実施するため、その時期に留学中だと参加が難しくなります。
とくに交換留学や長期留学では、日本の就活シーズンと完全に重なることも珍しくありません。
その結果「エントリーできたが面接に参加できない」「選考のために一時帰国が必要だ」といった問題も起こりやすいです。
とはいえ、近年はオンライン説明会や面接を実施する企業も増えています。
ですので、希望する企業がオンライン選考を導入しているかどうか、事前に調べておくとスムーズに就活を進められるでしょう。
留学先で取得した資格が日本企業では評価されない場合がある
留学中に語学検定や専門資格を取得すると、就活でアピールできる実績となります。
しかし、海外で取得した資格がそのまま就活で高く評価されるとは限りません。
なぜなら企業によっては、認知度の高い資格や業務に直結する資格のみを重視する場合があるからです。
就活で資格をアピールする際は、以下のポイントを確認してください。
- 日本企業にとって馴染みのある資格か
- 業務に直接役立つ資格か
- 資格取得の過程でどのようなスキルが身についたか
資格そのものを直接アピールできない場合でも、取得の過程で身についたスキルを採用担当者に伝えられると良いでしょう。
留学経験を就活で最大限活かす方法
留学経験を就活で活かすため、具体的なポイントを4つ紹介します。
留学前の準備ポイント
留学前の準備内容は以下のとおりです。
- 留学の目的を明確にする
- 留学先の環境を調べる
- 就活のスケジュールを把握する
- 自己分析とキャリアプランの仮説を立てる
- 情報収集ツールを準備する
留学中の経験を就活でアピールするには、自己分析が重要です。
留学前に自分の強みや価値観を整理し、就職後のキャリアプランを検討しておきましょう。
また、海外では日本の就活情報にアクセスしにくくなります。
lognavi(ログナビ)やオファーボックスなどの就活サービスを利用して、情報を集められる環境を整えておきましょう。
海外にても使いやすく、企業から直接オファーが届くオファーボックスの評判や利用方法は以下の記事で紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
関連記事:オファーボックスの評判がやばいのは本当?口コミを基にメリット・デメリットを解説
留学中に意識すべきポイント
留学中も就活を意識した行動を心がけることで、帰国後の就職活動をスムーズに進められます。
海外では予期せぬトラブルに直面することもあるでしょう。
トラブルに直面した経験を面倒だと捉えるのではなく、自分の成長の機会として前向きに考えられると就活でのアピール材料として活用できます。
例えば、文化の違いから生まれた誤解を解消した経験や、ボランティア活動に参加したことなどを、具体的なエピソードとしてメモしておきましょう。
少しずつでも自分の成長を記録しておくことで、帰国後の自己分析やESの作成、面接対策で活用できます。
帰国後の就活準備ポイント
帰国後は留学中に経験したことや乗り越えた課題など、具体的にリストアップしてください。
どのような状況でどう行動し、何を得たのか整理しておくと、あなたの強みや成長を明確にできるからです。
自分の強みや成長を明確にできると、ESや面接で説得力のあるエピソードを語れるようになります。
留学中のできごとを忘れないうちに、できるだけ早く作業を進めておきましょう。
また、留学中にアクセスが難しかった日本の就活情報も集めてください。
企業の採用動向や選考フローの変更点などを確認し、最新情報をもとに就活のスケジュールを立て直しましょう。
ES・面接で留学経験をアピールする方法
ESと面接で留学経験をアピールする方法を、以下の表にまとめました。
項目 | ESでのアピール方法 | 面接でのアピール方法 |
---|---|---|
目的・動機 | 留学を選んだ理由を明確に書く | なぜ留学を決めたか具体的に説明する |
学んだこと | 留学先で得た知識やスキル、経験をまとめる | 学んだことをエピソードを交えて詳しく話す |
課題への対応 | 留学中での困難や問題を記入する | どう困難を乗り越えたか、工夫した点を具体的に説明する |
コミュニケーション力 | 異文化や語学力の向上をエピソードで示す | 異文化理解や多様な人との交流経験を具体的に話す |
将来への活かし方 | 入社後、留学経験をどのように仕事に活かすかをまとめる | 留学経験が志望企業での業務にどう貢献できるか話す |
ESではポイントをまとめて記入し、面接では具体的なエピソードを通じて説明すると良いでしょう。
留学経験を入社後の業務でどのように活かせるのかを意識して、ESの作成や面接対策を進めてください。
留学経験を持つ方におすすめの就活サービス
留学経験を持つ方におすすめの就活サービスを3社紹介します。
それぞれ特徴が異なりますので、登録前にサポート内容を確認しておきましょう。
関連記事:留学経験のある就活生におすすめの就活エージェント5選!海外からでも利用できる就活支援サービスを徹底比較
ジール|オンライン面談で海外からでも就活を進められる

- 選考対策サポートが充実
- 最短2週間で内定獲得
- 登録企業数2,000社以上
ジールは、短期間で内定を獲得したい就活生におすすめのサービスです。
最短2週間で内定獲得した実績もあり、スピード感を重視する学生に適しています。
ジールに登録すると、専任のキャリアアドバイザーと1対1で面談を受けられます。
選考対策では履歴書やESの添削、模擬面接やよく聞かれる質問への対策などを受けられるでしょう。
帰国時期の関係で就活の準備が遅れて焦っている方や、できるだけ早く内定を獲得したい方から選ばれているサービスです。
キャリアスタート|留学経験を効果的にアピールできる面接対策を提供

- ミスマッチの少ない企業紹介
- マンツーマンによる就活サポート
- 就職支援実績4,000名以上
キャリアスタートは、内定率86%の高い実績を持つ就活サービスです。
企業とのマッチングを重視しており、就活生一人ひとりの価値観や希望する働き方に合わせて求人を紹介しています。
留学経験社向けの面接対策にも強みを持ち、海外で培った多様性への理解やコミュニケーション能力、チャレンジ精神など、企業へ魅力的に伝える方法をアドバイスしてくれます。
留学中に身につけたスキルや経験を具体的なエピソードとして整理し、企業が求める人材像とどうマッチするかを教えてもらえるでしょう。
ミーツカンパニー|留学経験を評価する企業と直接話せるイベントを開催

- 短期間で内定獲得を目指せる
- 合同説明会では即日内定のチャンスあり
- 非公開求人も提案してもらえる
ミーツカンパニーは、定期的に合同説明会や就活イベントを開催する就活支援サービスです。
合同説明会では一度に多くの企業と出会えるため、効率的に情報収集や企業の比較検討ができます。
また、就活イベントにはオンラインでも参加できるため、留学中の学生でも気軽に利用できるでしょう。
海外展開を進める企業や外資系企業が参加するイベントも開催されており、留学経験を活かしたい就活生から選ばれているサービスです。
留学した方の就活に関するよくある質問
海外留学を経験した方から、よく聞かれる質問を5つ紹介します。
就活をスムーズに進めるためにも、疑問点を解消しておきましょう。
留学経験は就活で有利になりますか?
応募する企業によって異なりますが、留学中に身につけた語学力や多様な価値観を評価する企業は多いです。
とくにグローバル企業や観光業など、国際的なビジネスを展開する業界では、留学経験を高く評価する傾向にあります。
ただし、留学期間が短すぎると十分な成果や成長をアピールできない可能性もあるでしょう。
一般的に3ヶ月未満の短期留学では、それほど高い評価を得られないこともあるため、就活中はこの点も考慮してください。
留学経験は学歴に書けますか?
留学経験を履歴書の学歴欄に書けるかどうかは、留学の種類と機関によって決まります。
学歴欄に書けるのは「1年以上の正規留学」または「大学間の交換留学」のみです。
語学留学や短期留学、ボランティアやワーキングホリデーなどの経験は、履歴書の学歴欄に記入できません。
ただし、自己PR欄や特技・資格欄に語学留学や短期留学の経験を記入できますので、企業へのアピールポイントとして十分活用できます。
留学経験はガクチカになりますか?
留学経験は就活のガクチカ(学生時代に力を入れたこと)として使えます。
ポイントは、ただ留学したという事実を伝えるだけでなく、海外で身につけたスキルや経験を伝えることです。
面接時は、留学を決めた理由や帰国後の変化などを自己PRや志望動機と一貫性を持たせられると、より説得力が増し採用担当者の印象に残りやすいです。
留学と就活は両立できますか?
結論として、留学と就活は両立できますが、事前準備と計画的なスケジュール管理が必要です。
留学と就活を両立させるには、日本の就活スケジュールに合わせて留学期間を決めることが重要です。
オンライン面接や選考を活用すると、海外にいても就活を継続的に進められるでしょう。
留学期間と就活時期を上手に調整して、無理のないスケジュールを立ててください。
留学中にオンラインで就活できますか?
留学中でもパソコンやスマホを活用すれば、十分に就活を進められるでしょう。
近年はWeb説明会やオンライン面接を実施する企業が増えたため、海外にいながらでも情報収集や選考に参加できます。
ただし、オンライン就活を成功させるには、安定したインターネット環境が欠かせません。
事前に現地のインターネットの接続状況を確認し、必要に応じてポケットWi-Fiやマイク、スーツなどもそろえておきましょう。
まとめ|就活では留学経験を効果的にアピールしよう
本記事では、留学経験を就活に活かす具体的な方法を解説しました。
海外で生活した経験は、就活においてあなたの大きな強みとなります。
単に語学力が向上しただけでなく、異文化に適応する能力や主体性、多様な価値観を受け入れる柔軟性などが身につくからです。
留学を通して得た経験を具体的なエピソードとして語ることで、採用担当者に良い印象を残せます。
とはいえ、留学中の経験やエピソードをどのように伝えれば良いのかわからない方もいるでしょう。
就活エージェントを活用すれば、専門のキャリアアドバイザーがあなたの留学経験を客観的に評価し、企業が求める形でアピールできるよう具体的にアドバイスしてくれます。 就活エージェントは無料相談も実施していますので、一度公式サイトから問い合わせてみましょう。