「メーカーって一体どんな業界なんだろう?」
「メーカーと商社の違いって何なのかな?」
これからメーカーに就職しようと考えているあなたは、このような疑問を抱えているのではないでしょうか。
そこで今回は、メーカーとはどんな業界なのかについて解説します。
記事の後半では、メーカーと商社の違いやメーカーの主な職種についても取り上げているので、これを読んで手軽に業界分析してしまいましょう!
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1.そもそもメーカーとはどんな業界?
メーカーとは、簡単に言ってしまうと素材や部品、製品といったあらゆるモノづくりに携わる業界のことです。
別名製造業とも呼ばれており、その規模の大きさと確かな技術力から、日本の経済を長年支え続けてきている重要な分野として位置づけられています。
しかし、その体育会系的なイメージから俗に3K(きつい、汚い、危険)とも呼ばれており、長い間偏見の的にされてきました。
そんなメーカー業界ですが、実は大きく分けると以下の3つに分類されます。
メーカーの種類
- 上流工程とされる素材メーカー
- 中流工程とされる部品メーカー
- 下流工程とされる加工・組立メーカー
それでは、これらの種類について具体的に確認していきましょう。
(1)上流工程とされる素材メーカー
素材メーカーとは、例えば鉄鋼やゴム、ガラスといった原材料を生産している企業のことです。
有名どころで言うと旭化成やAGC、積水化学工業などがこれに該当しますね。
特に日本では、後述の組立メーカーが注目されがちですが、そのいずれも素材メーカーがなくては成り立たないため、こちらも非常に重要な存在です。
(2)中流工程とされる部品メーカー
部品メーカーとは、原材料を使って機械の部品などを作るメーカーのことで、上流工程である素材メーカーと下流工程である加工・組立メーカーの橋渡し的存在を担っています。
具体的なメーカーとしては、自動車部品を作っているデンソーや電子部品を作っている村田製作所がこれに該当しますね。
こちらも表舞台では中々姿を見ることができない分野ですが、一言で部品といってもその種類は多岐に渡ります。
また、製品の性能や耐久性はその部品の精度に依存する面があるため、日本の技術力は部品メーカーに支えられていると言っても過言ではありません。
(3)下流工程とされる加工・組立メーカー
加工・組立メーカーとは原材料や部品の加工・組み立てを行って、完成品へと仕上げるメーカーを指します。
トヨタ自動車や三菱商事、ソニー、パナソニックといった有名企業が名を連ねているため、メーカーと聞いてこの加工・組立メーカーを想像する方も多いでしょう。
実際に、こういった下流メーカーは、一般消費者との距離が近いこともあって様々な広告戦略を打っています。
その分、平均給与も高い傾向にありますが、なんらかの不良品を出した場合は批判の矢面に立たされてしまうため、社会的な責任が大きい分野だとも言えますね。
2.メーカーと商社の違いは「自社製品を扱っているかどうか」
メーカーと商社の違いは、以下の表の通りです。
メーカー | 商社 | |
扱っている商品 | 自社商品 | 他社商品 |
主な事業内容 | 原材料・部品・製品の生産 | 商品の流通 事業投資 |
傾向 | 狭く・深く | 広く・浅く |
特徴 | ・BtoB営業やルート営業など既存顧客との繋がりを重視している ・国内総生産の20%を占めるほど巨大な分野 | ・メーカーの資材調達や営業活動のサポートを行う ・様々なメーカーを統括する役割も担っている |
最も大きな違いは、「自社製品を扱っているかどうか」にあると言えるでしょう。
例えば、メーカーは自社製品を扱う都合上、特定の製品に対して深い知識を持たなくてはなりません。
それに対し、商社は膨大な数の他社製品を扱うため、様々な分野に対する幅広い知識が求められるのです。
この商社の性質についてもっとよく知りたい方は、以下の記事がおすすめですよ。
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3.メーカーの主な職種
メーカーの職種は主に以下の7つに分類されます。
メーカーの主な職種
- 研究開発
- 商品企画
- 製造
- 生産管理
- 営業
- 経理
- 宣伝・広報
このうち、メーカーらしい職種と呼べるのは研究開発、生産管理、商品企画、製造の4つくらいなもので、残りはどの会社でも見られる仕事です。
しかし、営業や経理、宣伝・広告にもメーカーらしい特徴が表れているので、それらを具体的に確認していきましょう。
(1)研究開発
研究開発とは、特定の製品の開発および実用化を行う職種で、多くの場合、工学部や理学部といった理系出身者によって構成されます。
研究というと何だか地味な印象を抱いてしまうかもしれませんが、実は研究開発は企業の成長力の証として非常に重要視されている領域です。
具体的な仕事内容は業種によって異なりますが、例えば食品メーカーにおける検証なども研究開発の仕事とされています。
(2)商品企画
商品企画とは、市場の動向や顧客のニーズを分析して、既存製品の改良や新たな製品の提案を行う仕事で、別名マーケティング職とも呼ばれています。
こちらも研究開発に並んで重要視されている職種だと言えるでしょう。
というのも、世の中に受け入れられるようなヒット商品を生み出すには、市場調査は欠かせないからです。
ただし、その人の知識や分析力が求められるため、新卒でいきなり配属されることはほとんどありません。
(3)製造
製造は工場や製造所などで実際に製品作りを行う仕事で、別名現場職とも呼ばれています。
一般的に製造業と聞いて、こちらを思い浮かべる方も多いでしょう。
その過酷そうなイメージから3Kと呼ばれることも多いですが、KASYU Biochemのアンケート結果によると、全体の9割以上の作業者は「責任感やプライドを感じながら仕事をしている」と解答しています。
また、国も働き方改革など様々な手段を講じているため、以前と比べると労働環境はかなり改善されつつあります。
(4)生産管理
生産管理とは、製品をきちんと出荷するために生産量や品質のチェックを行う仕事で、より簡単に言ってしまうと企業全体のスケジュール調整を担っています。
そのため、厳密な製造業務に直結しない立ち位置ではあるのですが、企業の経営という点では非常に重要です。
というのも、作業員の配置も生産管理は業務内容の1つだからで、仮に生産管理に就く人がいなくなってしまうと企業全体が機能しなくなります。
(5)営業
営業は製品やサービスを他の企業や一般消費者に売り込む仕事で、別名セールスマンや営業マンと呼ばれています。
メーカーに関わらず様々な業界で重宝される職種ですが、メーカー営業の場合、法人営業であるBtoBの比率が高いのが特徴です。
また、他の業界の営業と比べるとかなり待遇が良いのも事実なので、興味がある方は以下の記事をチェックしてください。
(6)経理
経理とは会社内で発生する利益や損失、給与、保険料などを計算する部署のことです。
営業と同じくどの業界にも存在する職種ですが、メーカーの場合、原価計算にまつわる工業簿記の知識が必要なのが特徴ですね。
(7)宣伝・広報
宣伝・広報とは、企業やサービス、製品の知名度向上のために様々な情報発信を行う仕事です。
以前まではトヨタやソニーといった加工・組立メーカーのみが取り組んでいましたが、最近ではAGCや日清紡といった素材メーカーも宣伝に力を入れています。
「一般商品者とはほとんど関わらないBtoB企業がなぜ?」と思われるかもしれませんが、やはりこれは「優秀な人材を確保したい」という希望の表れだと言えるでしょう。
実際に、人事向け総合情報サイト『人事のミカタ』が行ったアンケートによると、なんと91%ものメーカーが「人材が不足している」と解答しています。
だからこそ最近になって、メーカーへの就職を呼びかける声が日本各地で上がっているのですね。
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4.メーカー業界全体の平均年収は454万円でランキング第1位!
一般的に平均年収が低いと思われがちなメーカー業界ですが、実は業界全体の平均年収もトップクラスなのです!
実際に、大手転職情報サイトdodaでは、以下のような業界別平均年収ランキングを公開しています。
業界別平均年収ランキング
1位:メーカー(454万円)
2位:総合商社(448万円)
3位:IT・通信(446万円)
4位:金融(436万円)
5位:メディカル(427万円)
このランキングで注目すべきなのは、タバコや家電といったメーカー関連の分野が、全96業種の上位に入っていることしょう。
また、2019年版の平均年収ランキングでもメーカーが1位だったことから、「メーカーだから平均年収が低い」という意見はむしろ逆であると分かりますね。
ちなみに、「それぞれの業種について、もっと詳しく知りたい!」という方は、以下の記事がおすすめですよ。
5.まとめ
この記事では以下の内容について解説しました。
まとめ
- そもそもメーカーとはどんな業界か
- メーカーと商社の違い
- メーカーの主な職種
- メーカーの平均年収は454万円で業界トップクラス
メーカーはその過酷そうなイメージから俗に3Kと呼ばれていましたが、以前に比べて労働環境もずいぶん改善されてきました。
また、冷静に数字だけ見ると業界トップクラスを年収を誇るので、就職先が決まらない方はぜひメーカーも選択肢に入れてくださいね。
なお、この記事を読んで「自分もメーカーに就職したい!」と思った方は、以下の記事がおすすめですよ。
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